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Xで「リプライの通知が来ない」と感じたら、まず確認したいのが「クオリティフィルター」という設定です。重複した投稿や自動生成的な内容を通知から除外する機能で、新規登録したときやアプリを再インストールしたときは、初期状態でオンになります。2026年9月、この設定に「触った覚えがないのにオンになっていた」と気づく人がX上で相次ぎました。
正直に書くと、私はこの話題を見た時点で、自社アカウントの通知設定をまだ確認していませんでした。SNS効果測定ツールを運営しているのに、通知がどんな条件で届いているのかは、意識の外にありました。同じ状態の運用担当の方は、きっと少なくないと思います。
9月に入ってから、Xでは「返信の通知が来ない」「フォロー外からの通知が急に止まった」という投稿が目立つようになりました。設定画面のスクリーンショットを添えて、「クオリティフィルターなんで知らぬ間にオンになってんの」と驚く声がいくつも並んでいます。オフに切り替えて数日試したところ、通知が「少しはマシになった」という報告も見られました。
Xの公式ヘルプによると、クオリティフィルターは重複した投稿や自動化されているように見える内容など、質が低いと判断したものを通知から取り除く機能です。フォローしているアカウントや、最近やり取りしたアカウントからの通知は除外しないと説明されています。そして、新規登録したときやアプリを再インストールしたときは、初期状態でオンになるとも書かれています。
機能そのものは2016年からあるもので、新しい仕様ではありません。変わったのは機能ではなく、機種変更やアプリの入れ直しをきっかけに、本人が知らないうちに有効になっていたという点です。「勝手にオンになった」という体感は、思い込みではなく仕組みの上で起こりうることでした。
個人アカウントなら、通知を少し見逃しても大きな問題にはなりにくいと思います。企業アカウントでは事情が少し違います。クオリティフィルターはフォロー中の相手や最近やり取りした相手を除外しないので、裏を返せば、絞られるのはまだ接点のない相手からの通知です。
企業アカウントにとって、それは初めて話しかけてくれたお客さまや、キャンペーンに初めて参加してくれた人たちにあたります。いちばん拾いたい反応が、いちばん絞られやすい場所にあります。この構造は、覚えておいて損はないと思います。
SocialReportを運営していて、お客さまから「通知で見落としていた」という相談を受けたことはありません。私自身も、クオリティフィルターという機能は今回の話題で初めて知りました。ただ、相談が来ないのは問題が起きていないからではなく、見落としたこと自体に気づけない仕組みだからではないか。今回の件で、そう考えるようになりました。
ここで分けて考えたいのが、通知で「見る」ことと、データで「数える」ことの違いです。アプリの通知は、担当者が反応に気づくための仕組みです。一方で効果測定やレポート作成は、投稿への反応をデータとして集めて数える仕組みです。
SocialReportがXのAPI(外部のツールがXのデータを取り出すための公式の窓口)で集めるリプライやメンションは、アプリの通知設定には左右されません。アプリの通知では絞られて見えていなかった反応も、データとしては残っています。「最近通知が少ない」と感じても、それがそのまま「反応が減った」ことを意味するとは限りません。
ただ、データなら何でも拾えるわけでもありません。アカウントによっては、投稿を検索しても結果に出てこないことがあります。通知にも検索にも、それぞれ見えない部分があります。どちらか一方を正解とするのではなく、自分がいまどの窓から反応を見ているのかを知っておくことが大切だと考えています。
クオリティフィルターをオフにしても通知が来ないときは、同じ「通知」の設定にあるほかの項目も確認したいところです。Xには「詳細フィルター」という設定があり、プロフィール画像が初期設定のままのアカウントや、メールアドレス・電話番号を確認していないアカウントからの通知を、個別に止められるようになっています。対象はフォローしていない相手なので、オンになっていると、条件に当てはまる相手からの新しい反応が届かなくなります。
もう1つは「ミュートするキーワード」です。ミュートした言葉は、ホームのタイムラインだけでなく通知にも適用でき、リプライやメンションにも効きます。以前に別の目的でミュートした言葉が、思わぬところで反応を隠していることもありえます。スマートフォン本体でXアプリの通知が許可されているかも、見落としやすいポイントです。
では、企業アカウントはクオリティフィルターをオフにしておけばよいのでしょうか。私は、基本的にはオフがいいと考えています。企業アカウントにとって、まだ接点のない人からのリプライこそ拾いたい反応だからです。
ただし、オンが間違いというわけではありません。炎上しやすい話題を扱っている時期や、担当者1人で対応していて心ない返信が負担になっている場合は、オンのままでもいいと思います。実際にXでも、迷惑なリプライを目に入れないためにあえてオンにしている、と公言している人がいました。大事なのは、どちらかを決めて使うことだと感じています。
設定をどうするか以上に効くのが、「いつ確認するか」を先に決めておくことです。クオリティフィルターは、アプリの入れ直しなどをきっかけに変わります。担当者が交代して新しい端末でログインしたときや、機種変更をしたときに、誰にも知らされないまま条件が変わっている可能性があります。
私が確認のタイミングとして考えているのは、次の4つです。
見る場所は、「通知」の設定の中にあるクオリティフィルター、詳細フィルター、ミュートするキーワードの3つと、スマートフォン本体の通知許可です。どれも数分で確認できます。
Xの通知が来ない原因として、まず疑いたいのがクオリティフィルターです。新規登録や再インストールのときに初期状態でオンになる仕様なので、覚えがなくても有効になっていることがあります。オフにしても直らない場合は、詳細フィルターやミュートするキーワード、端末の通知許可まで確認すると原因を絞り込みやすくなります。
そして、通知が少ないことと、反応が少ないことは別の話です。通知にも検索にも、それぞれ見えない部分があります。反応が「来ない」と感じたら、まず自分がどの窓から見ているのかを確かめたいところです。見えていないだけで、反応はそこにあるかもしれません。