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Xのプロフィール画面が作り替えられ、リポストが「Reposts」という別のタブに切り出されました。これによってキャンペーンの拡散が止まるわけではありません。ただ、リポストが人の目に触れる経路は一つ減ったと感じています。運用する側が何を見直せばいいのか、データを扱う立場から整理してみます。
2026年7月16日から17日ごろにかけて、Xのプロフィールのタブが「Posts」「Replies」「Reposts」「Videos・Images」「Articles」という並びに再編されました。iOS版とAndroid版の両方で広く展開されたことが、複数のメディアで報じられています。これまで自分の投稿と一緒に並んでいたリポストが、専用のタブに移った形です。
同じころ、「投稿が読み込めない」「他人のポストが表示されない」という報告も重なりました。ただ、この時期に公式な大規模障害の記録は確認できていません。表示の不具合とタブ再編がつながっているのかどうかは、現時点では分かりません。同じタイミングで別々のことが起きたために、まとめて「Xの調子が悪い」と受け止められた面はありそうです。
ここで一つ、誤解を解いておきたいことがあります。この変更を「自社アカウントのプロフィールから、キャンペーンのにぎわいが消えた」と説明しているのを見かけますが、これは正確ではありません。他の人が自社の投稿をリポストしても、それが自社のプロフィールに表示されることはもともとありません。表示されるのは、リポストした本人のプロフィールのほうです。
つまり変わったのは、参加してくれた人たちの画面です。
リポストは今もフォロワーのタイムラインに流れますし、おすすめのタイムラインに乗ることもあります。その意味では、実害はないという言い方も間違いではありません。
ただ私は、露出の経路が一つ細ったと感じています。これまでは、誰かのプロフィールを訪れたときに、その人が広げた投稿が本人の投稿に混ざって並んでいました。そこで初めて目にする、という入り方があったはずです。今はリポストが別のタブに移ったので、本人のプロフィールを開いても、そこには存在しないように見えます。
タイムラインで流れてくる以外に目に触れる機会が減った。キャンペーンの拡散という観点では、この差は小さくないと思っています。
もっとも、ユーザーからの評判が悪いわけではありません。「リポストが見当たらない」という戸惑いの声がある一方で、「分けられて助かる」という歓迎の声も少なくありませんでした。本人の投稿だけを読みたい人にとっては、たしかに読みやすくなっています。閲覧する側の利便と、拡散を狙う側の可視性が、ちょうど逆を向いた変更だと言えそうです。
こうした変更に気づくきっかけは、だいたい3つあります。自分で使っていて見つけるか、数値の変化から見つけるか、お客さんから「表示が変わったんですけど」と言われるか。自分の環境ではまだ切り替わっていないことも多いので、最初に気づくのが自分だとは限りません。
数値から気づくときの感覚は、こうです。ある日を境に、取れていた数字が急に減ることがあります。障害なら数時間で戻りますが、戻らない場合は仕様が変わったと考えます。原因を探しにいくと、表示の仕様が変わっていた、という順番で分かることが多いです。
だからこそ、伝え方には気をつけています。複数のアカウントと端末で確認したうえで、「Xが変更しました」ではなく「こちらの環境で確認できました」と書く。断定して後から違っていると、そのあとの説明が全部重くなってしまいます。
もう一つ、今回の変更で見落とされがちな点があります。キャンペーンの最中、担当者の多くは自分のスマホでリアルタイムに画面を眺めています。リポストが積み上がっていく様子をその場で味わって、履歴のほうはあとからデータで確認する。役割がはっきり分かれています。
今回減ったのは、後者ではなく前者のほうです。数字は変わらず残ります。消えたのは、説明の要らない「広がっている感じ」を目にする機会でした。
こう書くと、レポートの見せ方まで作り直しになるのでは、と思う方もいるかもしれません。ここで一つ、私の考えをお伝えします。SNS側の画面のスクリーンショットを成果物にしてしまうと、表示が変わったときに作り直しが発生します。大変なのは作り直しそのものより、過去のレポートと見た目が揃わなくなることです。
だから、自分たちのフォーマットでレポートを作っておくほうがいいと思っています。取得した数字と時系列さえ手元にあれば、プラットフォームの画面がどう変わっても、去年の同じ月と並べて比較できます。
こうした表示の変更は、今回が特別なわけではありません。Instagramがフィードとリールを分けたときも、企業アカウントはどちらの導線に力を入れるかを組み直すことになりました。X自身も、同じ7月にメディアタブを動画優先の表示に変えています。画像はドロップダウンの奥に移り、イラストや写真を中心に投稿しているアカウントからは反発が出ました。プラットフォームの表示は、こちらの都合とは関係なく変わり続けます。
では、細ってしまった経路をどう補うか。私が現実的だと思うのは、参加者の投稿を企業側が引用リポストして、自社のタイムラインに集めることです。参加者のプロフィールで見えにくくなったのなら、見える場所に持ってくればいい。しかも引用すれば、企業アカウントのフォロワーにも届きます。
途中経過を数字で投稿する方法もあります。「ここまでで◯件のリポストをいただきました」と自分で言ってしまえば、誰かのプロフィールを見に行ってもらう必要はありません。ただ、こちらは「広がっている感じ」までは伝わらないと思っています。人の言葉が並んでいるほうが、参加を迷っている人には効くはずです。
引用リポストを使う場合は、参加者のアカウント名や投稿がそのまま自社のタイムラインに残る点だけ気をつけたいところです。キャンペーンの応募条件に、投稿を紹介する可能性があることを一言添えておくと、後から気にする人が出にくくなります。
拡散は、放っておけば見える場所に残るものではなくなりました。広げてくれた人の投稿を、自分のタイムラインに引き上げておく。それが今できる一番確実な見せ方だと思っています。